蘇生会総合病院における生成AI導入の成果
京都市伏見区に位置する蘇生会総合病院のリハビリテーション科は、生成AI「ユビー」を導入し、リハビリテーションサマリー作成の効率化を図りました。その成果が国際医学誌Cureusに掲載され、特に注目されています。新しい業務フローを導入することで、サマリーの作成時間は従来の中央値23分からわずか10分にまで短縮され、約57%の時間削減が実現しました。
背景と目的
毎年、蘇生会総合病院では約300件のリハビリテーションサマリーが作成されます。これまで、各セラピストが個別に対応していたため、作成負担は大きく、記載内容のばらつきも問題となっていました。このため、急な依頼に伴う心理的負担も少なくありませんでした。こうした課題を解決するべく、2025年から「ユビー生成AI」を採用し、新たな作成ワークフローを導入しました。
導入効果の検証
この新しいシステムの導入後、院内で行った16件のデータを前に比較分析を行った結果、以下のような効果が確認されました:
1.
作成時間の短縮
- 作成時間は、中央値で23分から10分に。具体的には、従来よりも13分の短縮が実現され、約57%の削減が確認されました。
2.
高い操作性
- システムの使いやすさも評価され、SUS(System Usability Scale)の評価値は高い水準を維持。実際に現場のスタッフは生成AIをスムーズに取り入れています。
3.
心理的負担の軽減
- 現場のスタッフからは「急な作成依頼への心理的負担が減った」「サマリーを書く際の重圧が軽減された」との声が。文章が見やすくなったことも喜ばれています。
担当者のコメント
医療法人社団蘇生会の理事長、津田永明氏は、生成AI導入の最大の成果は単なる時間削減ではないと述べています。リハビリテーションのサマリー作成業務を効率化することで、スタッフは患者に向き合う時間を確保し、また情報共有の時間も得られるようになったと指摘しました。特に、急な依頼に対する心理的負担が減少したことは、スタッフの作業負担を大幅に軽減しています。もちろん、AIが作成した内容をそのまま使用するのではなく、最終的には療法士が内容を確認し、必要に応じて修正する体制で運用されています。
今後の展望
蘇生会総合病院リハビリテーション科は、今後もAIやデジタル技術を駆使して業務負担の軽減と医療の質向上を目指していきます。音声入力を用いた診療記録作成の支援や、専用の評価アプリの開発なども進めていくとのことです。患者に質の高いリハビリテーションを提供するために、AIやDX推進に注力していく姿勢が伺えます。
詳しくは、国際医学誌Cureusで発表された論文
Implementation of an AI-Assisted Workflow for Rehabilitation Discharge Summary Creation をご覧ください。