舞鶴が語る歴史と家族の絆
2024年12月23日から26日、東京の丸の内にあるKITTE地下1階の東京シティアイにて、特別展示『京都舞鶴-世界記憶遺産×日本遺産』が開催されます。この展示は、日本海に面した舞鶴市が中心となり進めている「海外引き揚げ事業とシベリア抑留の史実を次世代に継承する事業」の一環で、全国の皆様にその取り組みを広く知ってもらうことを目的としています。
この特別な展示では、舞鶴市が有するユネスコ世界記憶遺産と日本遺産についての資料が紹介されます。入場は無料で、毎日10時から19時までの間、誰でも気軽に訪れることができます。
世界記憶遺産コーナー
特筆すべきは、シベリア抑留を体験した北田利氏の家族にまつわる物語です。展示の目玉は「11年間の家族の絆」というテーマで、北田氏が1956年に舞鶴港へ帰還するまでの11年4ヶ月間、家族がお互いを思いやる様子が描かれた資料が並びます。特に、北田氏の妻であるはま子氏が書き記した日記や、家族とのやり取りを記載した「俘虜用郵便葉書」など、感動的な内容が目白押しです。
日記には、留守中の家族の状況や、北田氏から届く葉書の内容が詳細に記録されており、母としての想い、夫への愛情が生き生きと表現されています。これらの展示は、家族の絆がどれほど強く、互いを思いやる気持ちがどれだけ重要であったかを改めて教えてくれます。
さらに、訪れた人々はメッセージカードコーナーを利用して、大切な人への想いを記したメッセージを寄せることができる機会も用意されています。このコーナーでは、北田氏が家族に宛てた気持ちを手本にして、自身のメッセージを書くことができます。
日本遺産コーナー
舞鶴における歴史の流れを知るために欠かせないのが、日本遺産のコーナーです。ここでは、舞鶴の市街地図や地元の歴史について紹介され、特に鎮守府設置前後の変化を記した実物の地図が展示されます。1902年に開庁した舞鶴鎮守府に伴う市街地の変貌を知ることができる貴重な機会となっています。
フォトスポットや物販コーナー
また、東郷平八郎人形とのフォトスポットも設置される予定で、歴史的な背景を持つ舞鶴の魅力を感じつつ、記念の写真をおさめることができます。さらに、海軍のカレーや、引揚チーズタルトなどの地元特産品も販売されるので、家族や友人へのお土産選びにもぴったりです。
日替わりミュージアムトーク
会場では日替わりのミュージアムトークも行われます。テーマは多岐にわたり、世界記憶遺産や日本遺産に関するストーリー、そして舞鶴の観光の魅力などについての詳しい解説が行われます。これに参加することで、展示の理解がより深まることでしょう。
この特別展示は、舞鶴の文化や歴史、そこに息づく家族の絆を学ぶ貴重な機会です。この機会にぜひ足を運び、心に響く体験をお楽しみください。