真庭市が新たな農業支援サービスを設立、その背景と取り組み

岡山県真庭市は、5月23日に新たに始動する『真庭版農業支援サービス事業体設立』プロジェクトを発表しました。このプロジェクトは、農業の分野を軸にした地方創生を目的としており、株式会社パソナグループをはじめとする複数の企業と連携して進められます。真庭市は、県北部に位置し、広大な面積と人口約4万人を誇ります。近年、安定した農業の運営が求められており、このプロジェクトはそのニーズに応える形で立ち上がりました。

本プロジェクトの最大の目的は、地域農業の持続的発展を支え、農業者が直面しているさまざまな課題を解決することです。具体的には、農業者への支援やマッチングサービス、販路開拓などを通じて地域農業の活性化を目指します。また、少子高齢化に伴う農業者の人手不足問題にも対処するため、必要なサポートを提供することが求められています。

真庭市は環境保護や持続可能な発展を重視し、政府が進める「バイオマス産業都市」や「SDGs未来都市」にも指定されています。地元の木質バイオマス発電や生ごみを用いたバイオ液肥の活用など、地域の特色を最大限に生かした施策が進められていますが、地域における農業の存続が危ぶまれています。

このプロジェクトでは、2026年度を目標に農業支援に特化した法人を設立します。その具体的な業務には、農業者が交付金に関連する事務作業の支援を行ったり、農業機械の不足を補うためのマッチング、さらには地域産の農作物の販路を広げるサポートなどが含まれます。また、新規就農者向けの農業研修や情報提供も行い、真庭の魅力を伝えるための取り組みも行う予定です。

プロジェクトには、株式会社パソナグループ、パソナ農援隊、丹後王国ブルワリー、TOPPANエッジ、天満屋、中国銀行といった多様な企業が参画しており、それぞれが持つ専門性を活かして協力する体制が整っています。特に、TOPPANエッジが提供する農業マッチングサービスは、農業者の資源を効率的に活用する仕組みを提供し、地域農業を支える重要な要素となるでしょう。

加えて、企業の参加が可能な仕組みも整っており、真庭市に人材を派遣できる企業・団体が募集されています。この試みにより、地域の農業振興に寄与できる人材が集まり、さらなる発展が期待されます。

さらに、真庭市は地域の特性を徹底的に活かし、農作物を利用した飲食施設の運営や地域の魅力を最大限に引き出す商談会・PRイベントの開催を通して、新しい価値を創造していく方針です。

地方創生における行政と民間企業の連携の強化は、地域の未来を大きく変える可能性を秘めています。このプロジェクトが真庭市の農業だけでなく、地域全体の活性化につながり、新しいモデルの構築に寄与することを期待しています。