スタート地点としてのカーボンニュートラル達成
ブルーボトルコーヒーが2024年の1年間でカーボンニュートラルを達成したと発表しました。この成果は、気候変動対策に向けた同社の重要な一歩を示すものであり、業界全体にとっても意味深い動きとなります。ブルーボトルはこの達成を基に、コーヒーのバリューチェーン全体にわたって環境再生型農業(リジェネラティブ農業)の拡大を目指し、原産地でのイノベーションを推進しています。
具体的な成果と取り組み
2024年には、2018年を基準年として温室効果ガス(GHG)の排出原単位を18%も削減しました。また、残った排出量については、高品質なカーボン除去クレジットを購入することで相殺し、実質的なカーボンニュートラルを実現しました。
ブルーボトルのCEOであるカール・ストロヴィンクは、「カーボンニュートラルの達成は私たちにとって節目であり、同時に私たちが果たすべき責任でもあります」と語り、協働によって達成可能な未来を目指しています。彼はさらに、環境再生型農業を推進し、気候変動に適応できるコーヒー品種へ生産者がアクセスできるようにすることの重要性を強調しました。
ブルーボトルが実施した主な業務上の取り組みは以下の通りです。
- - グリーンコーヒー(生豆):調達の改善により、温室効果ガスの主要な排出源から20%の削減
- - 乳製品:植物性ミルクの標準化を行い、カフェでの牛乳由来の排出を16%削減
- - 電力:再生可能エネルギーの活用で、世界全体で66%の排出原単位を削減
- - 諸経費:リモートワークの導入により、通勤に伴う排出原単位を8%削減
- - 廃棄物:コンポスト化やリサイクル、エネルギー回収などにより排出を実質的にゼロ以下に抑える
新たな取り組みの展望
今後のブルーボトルの計画には、環境再生型農業の拡大や多様なコーヒー品種のメニューへの導入、さらには気候適応型の新品種開発への取り組みが含まれています。また、サステナビリティの専門家と連携して、地域に即した農業移行の計画も策定され、2026年にはペルー南部での取り組みが開始される予定です。
このプログラムでは、土壌の健全性を回復し、農業従事者の生活賃金の実現に向けた道筋の構築を目指しています。これを通じてブルーボトルは、地域社会に利益をもたらし、持続可能なコーヒー提供体制の構築に寄与していく考えです。
業界全体の協力
ブルーボトルコーヒーは、気候変動が影響を与える時代においてコーヒーの多様性を維持するため、国際的なイニシアチブへの参加を続け、生産者の革新的な取り組みを支援し続けます。特に、アラビカ種に加えてリベリカやロブスタといった異なる種へも注目し、新たなコーヒー体験を提供するための「Blue Bottle Studio」アジアツアーも計画中です。
ブルーボトルは、コーヒーの未来に向けた持続可能なビジョンを持ち、環境と共生するための取り組みを続ける姿勢を貫いています。この歩みは、他の企業にとってもインスピレーションを与えるものとなることでしょう。詳細については、公式サイトやSNSをご確認ください。