京セラとiPrint、インクジェット技術の新たな市場開拓へ
京セラ株式会社(以下、京セラ)は、同社の欧州子会社KYOCERA Europe GmbH(以下、KEG)とスイスのiPrint研究所の協業を発表しました。この取り組みは、従来の印刷技術にとらわれない新たなアプローチを促進し、3D印刷、塗装、プリンテッド・エレクトロニクスといった新市場の開拓を目指します。
インクジェット技術の進化
デジタル印刷、特にインクジェット方式は、品質と効率の面で他の印刷方式に比べ優れた長所があり、特に環境への配慮が高まる今、重要な技術として位置付けられています。データに基づいて即座に印刷し、版が不要なため、環境負荷を低減できます。また、少ロット多品種生産のニーズが高まる中、デジタル印刷のシフトが加速しています。
京セラはこれまでのファインセラミックスや流路設計技術を駆使し、インクジェットプリントヘッド「EXシリーズ」を開発しました。これにより、捺染や商業印刷の分野でトップシェアを誇り、市場をリードしています。今後はこれらの技術を基に、3D印刷や新たなエレクトロニクス用途に視野を広げています。
iPrint研究所の役割
iPrint研究所は、スイスの西スイス応用科学芸術大学に属する公的研究機関として、インクジェット技術に特化した開発を行っています。多様なニーズに応じた研究を進め、技術者や企業が集う場として機能しています。最新の研究やトレーニングコースを提供し、様々なインクに対応できる環境を整えています。
この協業で、京セラはiPrint内に専用スペースを設け、最新設備を利用して特殊なインクや材料の評価を行います。評価から得られたデータを蓄積し、解析することで、技術サポートの質を高め新たな用途開発を進めていく方針です。
持続可能への貢献
この取り組みを通じて、京セラはインクジェット技術の発展を促し、産業分野における新たな可能性を追求します。そして、持続可能な地球環境の実現に向けた貢献を果たしていくことを目指しています。
今後の協業がどのような成果をもたらすのか、期待が高まります。京セラとiPrintの連携によって、インクジェット技術は新たな時代を迎えることでしょう。