ローソンが挑む新しいリサイクル手法で環境負荷を大幅削減

ローソンが新たに実施するリサイクルプロジェクト

ローソンは、全国の店舗で使用済みユニフォームをこれまでの焼却処理ではなく、炭酸ガスなどに転換する新しいリサイクル手法「ケミカルリサイクル」を導入しました。この取り組みは、使われなくなったユニフォームを分子レベルまで分解することで、環境に優しい方法で処理するという革新的なものです。

このプロジェクトには、ローソンだけでなく、環境への配慮が求められる時代に合ったソリューションを提供するレゾナック社や、ユニフォームの廃棄物処理に関する専門知識を持つエムシーファッションが協力しています。

ユニフォーム廃棄の現状

ローソンでは、毎年約10,000枚のユニフォームが経年劣化、汚れ、破損の原因で廃棄されています。これまでの業界では、ユニフォームはレンタル業者を通じて焼却処理が行われており、環境への影響が懸念されていました。焼却による温室効果ガスの排出が問題視される中、ローソンは新たなアプローチを模索していました。

ケミカルリサイクルの仕組み

新たに導入されたケミカルリサイクルは、使用済みユニフォームの一部、約3,000枚・900kgを神奈川県にあるレゾナック社の工場で処理します。これにより、今までの焼却処理と比較して、CO2排出量が約80%も削減されるとされています。この取り組みは、単なる廃棄物処理に留まらず、新たに約2,000kgの炭酸ガスを生成することが可能です。

生成された炭酸ガスは、冷凍・冷蔵ケースの冷媒や植物の温室栽培における光合成の原料として再利用されるため、持続可能な循環型社会の実現に寄与します。

環境への影響と課題

日本では、年間約7,000万枚、つまり約16万トンのユニフォームが産業廃棄物として廃棄されています。この中には、大気中に温室効果ガスを排出する焼却処理が含まれており、環境負荷の低減が求められています。そのため、ローソンや協力企業は、引き続きこの新しいリサイクル手法を推進し、より多くのユニフォームを対象に適用していく考えです。

未来へのビジョン

ローソン、レゾナック、MCFは、今後もこの取り組みを進めることで、CO2排出量のさらなる削減を目指しています。そして、広域認定制度に基づくリサイクル手法によって、持続可能で無駄のない社会づくりに貢献していくことを約束しています。これにより、地域社会だけでなく、日本全体の環境問題への意識の向上にも繋げていくことでしょう。

このように、ローソンの新たなリサイクル手法は、コンビニエンスストア業界においても注目される取り組みとなりました。今後の延長線上には、他の業界への波及効果も期待され、廃棄物削減のモデルケースとなることを願っています。