2026年初春、映画『Returnees(リターニーズ)』が公開
2026年初春、待望のドキュメンタリー映画『Returnees(リターニーズ) 元こども兵 それぞれの再起』が、渋谷ユーロスペースをはじめとする劇場で公開されることが発表されました。この映画は、20年以上にわたって元子ども兵の社会復帰を支援している認定NPO法人テラ・ルネッサンスが、その活動を反映させた作品です。
制作は日本電波ニュース社が手掛け、監督はフリーランスや国際協力の世界で活動する菊地啓氏、プロデューサーに上田未生氏が名を連ねています。映画の内容は、アフリカ・ウガンダで20年間にわたる支援活動を念頭に置き、辛い過去を持つ元子ども兵たちがどのようにして社会に復帰していくのか、その葛藤や痛み、希望をリアルに描き出しています。
「帰還の後」の物語
本作が特に心に響くのは、単に元子ども兵を救うだけでなく、彼ら自身が社会復帰を果たした後の姿に焦点を当てている点です。例えば、2023年には支援を受けた元子ども兵のパトリック・ルムンバが、自らの経験をもとに現状を訴えかける場面が描かれます。「君たちも戻れる。自分を見ろ――勇気を出して一歩を踏み出そう」と、故郷へ帰還した元武装勢力の仲間に向けてのメッセージは、非常に力強いものです。このように、映画は彼らが抱える複雑な感情や社会への再統合の試みを丁寧に掘り下げています。
20年間の活動がもたらす変化
テラ・ルネッサンスはウガンダとコンゴ民主共和国で、元子ども兵の支援に取り組んできました。社会復帰支援は、単なる生存支援に留まらず、被害者から加害者へと立ち戻ることができるという信念を持ち続けています。特に、武装解除プロジェクトは、平和的な方法で元子ども兵を社会に戻すための鍵となっています。2023年には141名の帰還に成功し、さらなる500名の帰還を目指す動きが続いています。
中央アフリカ大統領との面談
さらに、テラ・ルネッサンスの海外事業部長・小川真吾氏は、2025年10月に中央アフリカ共和国のトゥアデラ大統領と面談を果たしました。この会談は、元子ども兵たちの帰還ルートを確保するための重要なステップとされ、支援活動にさらなる後押しとなっています。国境を超えた協力の中で、多くの元子ども兵たちが新たな生活を築く支援が進められています。
最期に
映画『Returnees』は、ただのフィルムではありません。それは命の大切さや社会復帰への希望、そしてもう一度新たなスタートを切りたいという強い願いが詰まった作品なのです。多くの人々に、彼らが直面する現実とその中に潜む希望に触れてもらうことを願ってやみません。今後の公開に乞うご期待です。