京都発!燃料電池触媒製造の新時代
京都市南区に本社を置く株式会社堀場製作所は、東京大学および金沢大学と共同で、燃料電池用触媒インクの混合分散プロセスを最適化する自動実験・自律探索システム「混合分散ROPES」を開発しています。このシステムは、燃料電池の性能を左右する触媒層の製造プロセスを大幅に向上させることを目指しており、2026年3月に東京ビッグサイトで開催される「スマートエネルギー WEEK」で初めて披露される予定です。
燃料電池の触媒層とは
燃料電池は、化学エネルギーを直接的に電気エネルギーに変換する装置で、その心臓部が触媒層です。触媒層は、触媒インクと呼ばれる特別な材料で構成され、このインクの性能は燃料電池全体の効率に直結します。しかし、その製造プロセスには多種多様な条件が必要で、混合比や塗布方法、乾燥条件の最適化が求められます。これを効果的に行うためのシステムが、「混合分散ROPES」です。
手作業の限界と自動化の必要性
従来の燃料電池触媒層の製造は、主に人手による試行錯誤が中心でした。多くの材料を消費しながら試作を繰り返すこの方法は、時間とコストの面で大きな悩みの種でした。2025年3月には、まず塗布・乾燥プロセスに特化した「塗布乾燥ROPES」が開発されています。このシステムは、AIを活用して少ない実験回数で最適条件を見出すもので、従来の100倍の探索効率を誇るとされています。
新たな開発ステージへ
「混合分散ROPES」は、触媒インクの混合分散プロセスに特化したもので、粒子の分散状態や凝集度が最終性能に大きく影響します。堀場製作所は、東京大学との協力でシステム構想を、金沢大学は混合分散メカニズムの解明を目指し、複数の機器を統合した開発を進めています。この取り組みを通じて、触媒層製造の全体プロセスを最適化することが期待されています。これにより、燃料電池の普及が加速すると期待されています。
燃料電池の未来を切り拓く
最終的には「塗布乾燥ROPES」と「混合分散ROPES」の二つのシステムを連携させ、燃料電池触媒層の製造プロセスを全体的に最適化するシステムの構築を目指します。これによって、生産技術の向上が図られ、燃料電池の本格的な普及につながることが期待されています。新技術がどのように社会に貢献するのか、今後の進展に目が離せません。