移民を「労働力」から「人間」へと考える新たな視点

移民を「人間」として見つめる視点の重要性

近年、移民問題は日本においても重要な社会課題として取り上げられています。龍谷大学が発信するウェブメディア「BEiNG」の最新号では、「移民」は単なる「労働力」ではなく、一人の「人間」として尊重されるべきであるという観点から多文化共生社会の在り方を模索しています。

この号の監修を担当するのは、スロバキア出身の国際学部准教授、デブナール・ミロシュ氏です。彼は移民研究を専門とし、移民の多様な実像を捉える重要な役割を果たしています。実際、彼は「移民」という言葉が持つ曖昧性や誤解に着目し、その背後にある多様なストーリーに迫ります。

「移民」とは誰のことなのか

私たちが「移民」と聞いてまず思い浮かべるのは、コンビニや建設現場で働く姿かもしれません。しかし、そのイメージはあくまで一部に過ぎません。移民はさまざまな背景を持つ人々で構成されており、国や文化を超えた多様な経験と知識に満ちています。本号では、デブナール准教授のインタビューを通じて、移民の真正な姿とその生きざまを探求しています。

「門戸を開けば人が来る」時代の終わりか

これまでの日本では、移民を受け入れる際には比較的緩やかな制度が存在しましたが、今やその考え方は見直されつつあります。技能実習制度の廃止や育成就労制度への移行などが議論され、「人間」としての理解が進む中で、移民受け入れの新しい枠組みが必要とされています。このような流れを受けて、私たち自身も移民に対する認識を改める重要性が増しています。

差別撤廃を実現するのは「善意」ではなく「仕組み」

移民問題においては、ただ善意で受け入れるだけでは不十分です。差別を減少させ、真の意味で共生社会を実現するには、きちんとした仕組みが必要です。日本では、制度的なサポートの不足や社会的な偏見が依然として残っています。本号では、こうした問題を解決するためには何が必要なのか、様々な視点から考察しています。

分断を越える「社会的想像力」の養い方

私たちの社会が分断されず、共生へと進むためには、「社会的想像力」を育む必要があります。これは、他者の視点を理解し、多様性を尊重する力です。本号では、この想像力をどのように養い、実社会に生かしていくのかについても触れています。

今回のBEiNG Vol.12では、移民に対する理解を深めることを通じて、私たち自身がどうあるべきかを考えさせられます。共生社会の構築には、多くの人が関与し、それぞれの役割を持つことが求められています。是非、公式Webサイトにアクセスし、最新号を手に取ってみてください。