仁和寺でのドローン点検実証、文化財の未来を見据えた取り組み

近年、日本では自然災害が頻発し、建物や文化財の維持管理に高いレジリエンスが求められています。特に歴史ある寺院においては、定期的な点検と修繕が不可欠です。そんな中、株式会社Liberawareが開発した狭小空間点検ドローン「IBIS2」を活用した実証実験が、世界遺産の一つである仁和寺で行われました。この取り組みは、従来の点検方法を革新し、文化財の未来を守るための重要な一歩となるでしょう。

実証実験の概要

今回の実証実験は、株式会社山田商会ホールディングが協力し、仁和寺の白書院床下で行われました。ドローンを使って、床下や天井裏の点検を実施し、その有効性を検証することが目的です。点検に使われたIBIS2は、小型でありながら高い機能を有しており、従来の方法よりも迅速に作業を進めることができます。

実施内容

- 目的: 小型ドローンによる床下・天井裏点検の有効性を検証
- 実証場所: 仁和寺白書院床下
- 床面積: 約196㎡
- 使用機体: IBIS2
- 点検時間: 各1時間で完了

実施後の評価では、ドローンを利用することで点検作業の効率が大幅に向上することがわかりました。特に、床下に関しては、事前確認のタイミングを早め、必要な修繕仕様の策定をスムーズに行えたという結果が得られています。また、屋根裏点検も従来の作業を半日程度にまで短縮できたといいます。

仁和寺のコメント

仁和寺は、文化財を未来に残すため、新しい技術の導入に積極的です。オンライン特別サイト「御室デジタルミュージアムオンライン」の制作や宿泊施設としての「松林庵」など、時代に即した取り組みを行ってきました。今回のドローンを使用した点検は、文化財の保護だけでなく、新たな文化財の創出や技術の継承にもつながると期待されています。

山田商会HDの意義

山田商会は、120年の歴史を有し、地域のレジリエンス向上に寄与してきました。今回の実証を通じ、点検業務の安全性と効率性を両立した新たな方法を確認し、文化財をデジタルデータとして保全する重要性を再認識しています。これは、次の世代に価値を伝えていくための試みでもあります。

Liberawareについて

株式会社Liberawareは、「誰もが安全な社会を作る」をスローガンに、狭小空間向けのドローン技術を開発し、点検業務の効率化を図っています。今回の実証を通じて、技術の進化が文化財の維持管理にどれだけ貢献するか、今後も見逃せません。みなさんもぜひ、この取り組みに注目してください。

この実証実験の詳細は、山田商会HDのリリースにも掲載されています。興味のある方はぜひご覧ください。