龍谷大学村岡教授、モンゴル国から「ナイラムダル勲章」を受章
龍谷大学文学部の村岡倫教授が、モンゴル国から名誉ある「ナイラムダル(友好)勲章」を受賞したことが発表されました。本勲章は、モンゴル国大統領174号令に基づき、教授の長年にわたるモンゴルの文化や歴史に対する貢献を称えられ与えられるものです。
村岡教授は1998年からモンゴルにて国際的な碑文学や遺跡調査に従事しており、特にモンゴル帝国や元朝時代に関連する碑文や遺跡調査を中心に研究を続けています。彼の研究は、日本とモンゴルの学者間での共同研究や人的交流を促進する上で、非常に重要な役割を果たしてきました。特に、モンゴルと日本の文化交流を強化するためのプロジェクトにおいて、彼の活動は多くの評価を受けています。
特筆すべきは、2016年にモンゴル西部のハルザンシレグ遺跡で行われた調査で、村岡教授が13世紀の仏像の一部を発見したことです。この発見は仏教文化の重要な証拠となり、龍谷大学の関与の下、運搬や保存、展示が進められ、最終的には現地の文化センターに寄贈されました。これにより、モンゴル帝国時代の発展や仏教の広がりについての理解が深まりました。
さらに、2022年にはモンゴル帝国時代の首都カラコルムにあった仏教寺院「興元閣」に関する「勅賜興元閣碑」のレプリカが製作され、モンゴルの文化遺産復元事業の一環として重要視されました。この碑文は、モンゴル語と漢語の合壁碑文であり、当時のモンゴルにおける仏教信仰やカラコルム城建設の歴史を記録しております。これまでこの碑文のレプリカ作製が実現しなかった中、村岡教授の関与により遂に文化復興の一助となりました。
村岡教授は今回の受章に際し、あくまで自身一人の功績ではなく、龍谷大学全体の取り組みが評価され高く評価された結果であると述べています。「モンゴルには、まだまだ多くの調査やご支援が必要な文化事業が残っているため、今後もその発展に寄与し続けたい」と意気込みを語りました。
今後も村岡教授と龍谷大学によるモンゴルとの交流や研究が、文化の架け橋としてさらなる発展を遂げることに期待が寄せられています。彼の業績は、モンゴルの文化歴史を掘り起こすだけでなく、国際的な学術交流の促進にも繋がり、多様な文化理解を深める重要な役割を果たしています。これからも彼の活動から目が離せません。
詳しい取り組みについては、以下のリンクもご参照いただけます。
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モンゴル西部ハルザンシレグ遺跡での発見について
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興元閣碑のレプリカ製作について
村岡教授が受賞したことは、京都からモンゴルへ、さらには世界へと広がる学術の光を象徴する出来事であり、両国の文化交流の深化に寄与することを願っています。