2025年万博京都ゾーンで体験する伝統工芸と未来の融合
2025年の大阪・関西万博、関西パビリオン京都ゾーンで、伝統産業の最前線に触れる機会が訪れます。特に注目すべきは、株式会社伊と幸が提供する「未来を織りなす」実演&体験イベントです。このイベントは、正絹の丹後ちりめんを使用した京友禅の金加工を実演し、来場者がその魅力を体験できる貴重な機会です。
イベント概要
このイベントは、2025年6月30日から7月6日まで開催され、毎日3回(10:30、13:30、15:30)行われます。場所は、関西パビリオンの京都ゾーン。ここでは、伝統と革新をテーマに、数々の企業や団体が出展し、京都の繊維産業の持つ魅力を幅広く紹介します。アートと技術が融合した作品が展示され、未来の工芸の形態を提案する場でもあります。
展示作品
伊と幸が展示する2つの作品は、現代社会における伝統技術の活用の例として特に注目されています。
1.
絹パネル:これは、京都の伝統的な絹織物を利用して、最新の医療機器X線装置の側面に装着される革新的な製品です。純国産の絹「松岡姫」を用いたこの作品は、金彩技術により美しい模様が施されており、伝統技術と現代のニーズが融合した事例として、高い評価を受けています。
2.
行燈(あんどん):丹後ちりめんを使用したこの現代的な行燈は、京指物技術を駆使して作られています。オリジナルデザインの「月華舞菊」が施され、LED光源で美しく照らされる素晴らしいアートピースです。伝統技術をふんだんに使用しながらも、モダンな空間に調和するデザインが魅力です。
実演の楽しみ
金加工の体験
来場者は、実際に金加工の技法を体験できるチャンスがあります。株式会社伊と幸が誇る伝統工芸士による、繊細な金線の描写を間近で見ることができ、さらには自分でも体験できるワークショップが提供されます。手描き友禅技法のひとつとして、金加工の手法を学ぶとともに、技術者と直接会話することができる貴重なチャンスです。
交流の場
このイベントは、ただの見学にとどまらず、来場者と出展者との心の交流が生まれる場所です。「一座建立」のテーマのもと、参加者はアートと技術に関する深い理解を得られるだけでなく、皆で一体感を得ることができます。
伝統と革新の両立
伊と幸は、創業から94年。その間、和装用白生地の老舗として知られ、多くの歴史を持つ企業です。自社の「絹の白生地資料館」では、着物の文化とその準備過程を紹介し、伝統工芸の未来についても研究と発信を行っています。今後も、環境に配慮しつつ、伝統技術を活用した製品を進化させていくことでしょう。
まとめ
2025年の大阪・関西万博は、近未来の技術を体験し、伝統工芸を実感する貴重な場です。手に触れることで、工芸の持つ魅力や、その裏にある技術を感じられる機会を逃さずに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。