ロームが開発した超小型昇降圧電源基板
1. イントロダクション
ローム株式会社が新たに発表した超小型リファレンス基板「BD83070GWL-EVK-002」は、バッテリー駆動の電子機器向けに最適化された昇降圧DC-DCコンバータIC「BD83070GWL」を活用した先進的なデザインです。本記事では、この基板の特長とその開発背景について詳しくお伝えします。
2. 新リファレンス基板の特徴
「BD83070GWL」は、最大97%の高効率と、2.8µAの超低静止電流を実現したバッテリー駆動の電子機器用のICです。新しく開発されたリファレンス基板は、実装面積がわずか12.87mm²(3.3×3.9mm)で、小型バッテリー機器に特化した設計が施されています。この超小型実装は、一般的な昇降圧電源ICと比較して、かなりの優位性を持ちます。
3. 設計情報の公開
ロームの新リファレンス基板は、単に評価用途だけでなく、量産設計にも柔軟に対応できるように、回路パターンや部品表(BOM)の設計情報が公開されている点も大きな魅力です。これにより、開発者はすぐに自らのプロジェクトに応じた実装や検証が行いやすくなります。
4. 発表の背景
近年、ウェアラブル機器やモバイル機器、IoTデバイスなど、あらゆる場面でバッテリー駆動の電子機器が普及しています。これに伴い、デザイン性や機能性の向上を求める声が高まる一方で、バッテリーの持続時間を延ばすために、低消費電力を追求することも重要となっています。ロームはこのニーズに応えるために、BD83070GWLの開発を行い、業界の先頭を走る高効率かつ低消費電流の性能を特徴とするICを生み出しました。
5. 用途の多様性
「BD83070GWL」とそのリファレンス基板は、様々なアプリケーションに対応します。具体的には、以下のような用途が想定されています。
- - ウェアラブル機器:スマートウォッチやリング、さらに生体センシングデバイスなど。
- - モバイル機器:AR/VRデバイスやスマートフォン。
- - IoT機器:AIセンサーノードやBLEデバイス、スマートロック、小型ドローン。
- - 小型バッテリー駆動機器:電子タバコやワイヤレスイヤホン、デジタルキー、電動歯ブラシ等。
多様なデバイスにこの基板が活用されることで、それぞれの製品の性能向上と小型化が実現されます。
6. 今後の展望とまとめ
ロームは今後も、バッテリー駆動のアプリケーション向けの小型化と省電力化を推進するため、新たな技術開発に注力していく方針です。新しいリファレンス基板の提供は、より多くのメーカーや開発者にとって、より高性能な製品開発を加速させる手助けとなることでしょう。2026年6月からの供給開始をぜひ注目していただきたいです。