学校給食に有機農産物を!坂ノ途中とEarth Familyの新たな試み
株式会社坂ノ途中は、NPO法人Earth Familyと連携し、兵庫県養父市で有機農産物を利用した学校給食の取り組みを始めました。この取り組みは、有機農業の普及を図りながら地域農業の活性化を同時に目指しています。では、その詳細を見ていきましょう。
有機農産物の学校給食への導入
近年、農林水産省は「みどりの食料システム戦略」を発表し、各地域で有機農業を推進しています。2023年の調査によれば、278の自治体が学校給食にオーガニック農産物を導入したというデータがあります。その一方で、安定した原材料供給の必要性から、学校側と生産者間の需給調整が課題として浮上しています。
この状況を打開するため、坂ノ途中とEarth Familyは協力して、地域農業者が育てた有機農産物を学校給食に供給する施策を実施。具体的には、農業者向けに開発されたサポートツール「farmO」を使い、生産者の出荷量と学校の需要をマッチングさせる仕組みを構築しました。
farmOの活用
「farmO」は、生産者が自らの出荷可能な農産物の量を登録し、実際に学校側が必要な量を受注できるシステムです。このツールの導入により、発注管理が効率化され、生産者の手間も大幅に軽減されます。また、納品書や請求書が自動的に生成されるため、煩雑な事務作業も簡素化されるのが特徴です。
この取り組みは、養父市において初の試みであり、今後はノウハウを確立して他の地域にも徐々に展開していく予定です。坂ノ途中代表の小野邦彦氏は「地域の農産物をより多くの家庭に取り入れてもらうために、持続可能な形での連携を進めていきたい」と展望を述べています。
NPO法人Earth Familyの役割
Earth Familyは、「農」と「食」、「教育」をテーマに活動し、子供たちに安全で健康的な食材を届けることを使命としています。地産地消を推進することで、地元の生産者とのつながりを強化し、子どもたちに農業や食文化の重要性を学ぶ機会を提供しています。このように、彼らの活動は単なる給食提供にとどまらず、未来を担う世代への教育的な価値も含まれています。
おわりに
学校給食における有機農産物の導入は、地域農業を支えるだけでなく、子どもたちにとっても食の大切さを学ぶ良い機会となります。坂ノ途中とEarth Familyの協力によるこの取り組みが成功することで、他の地域にも波及することが期待されます。これからの学校給食が、いかに地域との結びつきを深める場になるのか、目が離せません。今後の展開に大いに期待が寄せられています。