別所隆弘写真展「煙か闇か爆ぜ物」
2025年の春、ニコンプラザ東京と大阪で別所隆弘の写真展「煙か闇か爆ぜ物」が開催されます。東京では2月25日から3月10日まで、そして大阪では3月20日から4月2日までの期間、開かれます。この展示は、花火を通じて光と闇、さらには煙という絶妙なテーマに迫ったものとなります。
展示概要
展示会場となる「THE GALLERY」は、写真文化の普及を目指し、2017年に東京と大阪に開設されました。ここでは、ニコンの機材を使い、著名な写真家たちの作品が展示され、訪れる人々に質の高いアートの体験を提供しています。特に、別所さんの展示は、彼の独自の視点から創造された作品群を通じて、「光とは何か」「闇とは何か」という根源的な問いに挑戦するものです。
作家の意図
展示の核を成すのは、別所さん自身の言葉にも表れているように、花火の美しさだけでなく、その背後に潜む静けさや余韻です。彼は花火が打ち上げられる直前の息を呑む瞬間や、その後に生じる煙の美しさを捉えようとしています。大きな花火が夜空に打ち上がる瞬間、私たちの心には様々な感情が混じり合います。驚き、喜び、そしてもしかすると初めて見る赤ん坊のような純真な反応までもです。
この展示は、写真によって特定の瞬間をキャッチし、その一瞬が持つ大きな意味を探る試みでもあります。別所さんはまた、研究者としての一面も持ち合わせており、展示は作品そのものの鑑賞だけでなく、来場者が「体験」する場であることを重視しています。つまり、会場を訪れることで、光、闇、時間、空間、そして煙が引き起こす問いをともに探求していくことを望んでいるのです。
別所隆弘について
別所隆弘さんは、フォトグラファーでありながら文学研究者という異なった視点を持つクリエイターです。彼は、滋賀や京都をテーマにした「Around The Lake」と呼ばれるプロジェクトを通じ、風景と人々の相互作用を考察し続けています。最新著書『写真で何かを伝えたいすべての人たちへ』でも明らかにされているように、別所さんは写真を通じて伝えられるメッセージについて深く考え、多くの人々とその思考を共有しようと努めています。
ぜひ訪れてほしい
来場者には、展示を観るだけでなく、その背後にある思考や創造過程にも触れてほしいと別所さんは考えています。花火の「光」と「闇」、そしてそれを取り巻く「煙」の中に潜む様々な感情や哲学的な問いを、ぜひ体験しに来てください。光の美しさや闇の深さを通じて、芸術が持つ力や感動を共有できる機会になることでしょう。多くの方々のご来場を心よりお待ちしております。