蘇生会総合病院のリハビリ評価システム
京都市伏見区にある医療法人社団蘇生会の蘇生会総合病院では、2023年8月から院内で新たなリハビリ評価システムを本格導入しました。このシステムは、約50台のiPhoneを用いて患者のリハビリテーション評価を行うもので、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として注目されています。
リハビリ評価システムの開発背景
従来のリハビリ評価では、紙とペンを使った評価用紙やマニュアルに頼ることが多く、プロセスが煩雑でした。患者の情報を確認し、評価を行い、結果を手動で記録する必要がありました。しかし、この方法では評価の過程や詳細なデータが失われがちでした。
そこで、蘇生会総合病院のリハビリテーション科では、院内のiPhoneを使って詳細な評価を行えるシステムを構築。生成AIやDX推進メンバーと緊密に連携し、実際の臨床現場での使いやすさを重視して設計されました。
システムの特徴
このリハビリ評価システムでは、職員がiPhoneにログインして患者情報を取得し、各種リハビリ評価を行うことができます。評価結果は院内サーバーに保存され、過去の結果も簡単に確認できるため、評価進捗の共有がスムーズに行えます。
幅広い評価項目
本システムでは、バランスや歩行能力、認知機能に関する幅広い評価を実施することができます。具体的には以下のような評価項目が含まれています:
- - 身体機能評価:Berg Balance Scale (BBS)、Short Physical Performance Battery (SPPB)
- - 歩行能力評価:Timed Up and Go Test (TUG)、6分間歩行試験
- - 認知機能評価:改訂長谷川式簡易知能評価スケール (HDS-R)
このように、もし見逃しているポイントがあればすぐに対応できる情報を蓄積することで、リハビリ現場での質の向上を図っています。特に、過去の評価データを参照しながら新たな評価を行える点は、大きな利点と言えるでしょう。
システムが提案する利便性
評価画面では、評価項目に関連する説明文やタイマー、自動計算機能などが実装されています。例えば、4m歩行テストではiPhoneのタイマーを利用して歩行時間を測定し、得られた結果を自動で計算します。このことにより、評価者は手間をかけることなく実施できます。
また、途中保存機能を設けることで、評価を途中で中断した場合でも安心です。別のスタッフが同じ評価を再開できるため、チームワークを活かした運用が可能となりました。
蓄積されたデータの価値
運用開始からわずか半月で350件を超える評価が蓄積され、スタッフがこのシステムを日常業務に自発的に活用していることが確認されました。これは、新しい技術が医療現場で求められる必要性に応えた結果とも言えるでしょう。
将来的には、このデータを基にした業務改善や研究活動に活用され、より一層質の高いリハビリテーションの提供につながると期待されています。
まとめ
蘇生会総合病院の新たなリハビリ評価システムは、医療現場の効率化と情報の蓄積がもたらす可能性を示す先進的な取り組みです。今後もDXを進める上で、リハビリテーション科とシステム課が連携し、一層の医療の質向上に寄与していくことが期待されています。こうしたデジタル技術の導入が、患者にとっても質の高い医療提供につながることを願っています。