滋賀県の生物多様性
2025-07-09 14:27:25

滋賀県で生物多様性保全総合指数の開発が始動、地域と経済をつなぐ新しい指標が誕生へ

滋賀県における生物多様性保全への新たな取り組み



国際的に注目されている「ネイチャーポジティブ」という概念が、日本でも重要なテーマとなっている中、滋賀県で新たな取り組みが始まりました。龍谷大学、公益財団法人東近江三方よし基金、株式会社滋賀銀行が共同で推進するこのプロジェクトは、地域固有の生物多様性を評価・保全するための「生物多様性保全総合指数(BCCI)」の研究開発です。この指数は、自然資本と経済活動の好循環を生み出すことを目的としています。

ネイチャーポジティブの重要性



「ネイチャーポジティブ」は、生物多様性の損失を食い止め、自然環境を回復させるための世界的潮流です。特に、2030年までに達成を目指すこの目標は、企業活動においても大きな影響を与えています。日本国内では、自然に関連する情報を開示するTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)などの動きが進み、企業が自然環境を保全することへの関心が高まっています。しかし、その進捗を的確に測るための具体的な指標が不足していることが、企業や政策立案においてのボトルネックとなっています。特に、生物多様性の状態は地域によって異なるため、地元密着型の柔軟な指標が必要です。

プロジェクトの目的と手法



滋賀県の「生物多様性しが戦略2024」に基づくこのプロジェクトは、地域の生態系を守りつつ、経済活動と結びつける新たな総合指数を開発することを目指しています。具体的には、以下の3つのステップで進められる計画です。

1. 指標要件の設計
環境対応型の金融商品に応じたリアルな指標要件を整理し、地域の住民や企業が理解しやすい指標イメージを構築します。

2. 基盤情報の収集
環境DNA調査などを通じて、生態系の健全性を示す多ソースのデータを収集し、実際の生態とその多様性を把握します。

3. 経済・社会活動での実証と評価
乏しいデータを補完し、滋賀銀行や地域事業と連携して実際の経済・社会活動における指標の適用性をテストします。

連携機関の役割



このプロジェクトは、学術機関や金融機関、地域の事業者が協力し合うことで、実効性のある生物多様性保全の枠組みの構築を目指しています。龍谷大学は環境科学の専門知識を提供し、東近江三方よし基金は地域の環境保全活動を支援、滋賀銀行はファイナンスにおける環境対応の推進役を担います。この三者の協力によって、生物多様性の保全に向けた新たな道筋が開かれることでしょう。

まとめ



滋賀県における生物多様性保全総合指数の研究開発は、地域の自然環境を守りつつ、経済の健全な成長を促す重要な試みです。今後の進展が期待されるこのプロジェクトを通じて、滋賀県が持つ豊かな自然資源が持続可能な形で次世代に引き継がれていくことを願っています。


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