京セラ、業界初の高粘度材料対応インクジェットヘッドを発表
京セラ株式会社は、このたび新たに開発したインクジェットプリントヘッドを発表しました。この製品は、工業用途に特化した高粘度材料に対応しており、業界初の1,500ノズル超を持つことから、製造業界に大きな影響を与えるものと期待されています。
新技術の特長
このインクジェットヘッドは、京セラ独自の新設計のピエゾアクチュエータと流路技術を採用しており、高粘度と大液滴の吐出を可能にしています。これにより、従来のインクジェット技術では難しかった加工においても実用化が可能となりました。具体的には、塗装や3D印刷などにおける効率的な作業が実現されます。
開発背景
近年、製造業界では環境への配慮が強く求められるようになっています。持続可能な社会を目指す中で、製造プロセスの中で発生する廃棄物の削減や材料ロスの低減が急務とされており、その点でインクジェット技術は非常に高く評価されています。均一な微小液滴の吐出が可能となることで、資源の無駄を省くことができ、より環境に優しい製品づくりに貢献しています。
特に電子回路や半導体の製造ライン、またアディティブマニュファクチャリングの分野では、革新的な技術として注目を集めています。さらに自動車の塗装においては、デザインの多様化が進んでおり、マスキング作業の軽減や塗料のロス削減が求められています。これらすべてのニーズに応えるために京セラは、このインクジェットヘッドの開発に取り組んできました。
技術的優位性
京セラが開発したインクジェットヘッドは、以下の特長を持っています。
1.
新型アクチュエータ構造: 従来の圧電技術を改善し、当社の従来比で16倍もの高粘度材料の安定した吐出が可能となりました。さらに、液滴の大きさも20倍に達し、さまざまな業界での利用が広がっています。
2.
最適化された流路設計: 高粘度材料を扱う中で生じる吐出安定性の課題を解決するため、京セラは独自の流体シミュレーション技術を駆使した流路設計を採用しました。これにより、材料の生産性と品質を両立させることが実現されています。
製品の技術仕様
この新たに開発されたインクジェットヘッドは、次のような技術仕様を持っています。
- - 解像度: 360dpi x 360dpi
- - 印字幅: 111.69mm
- - ノズル数: 1,584
- - 対応粘度: 80mPa・s
- - 吐出液滴量: 280pL(京セラの評価基準による)
京セラは、このインクジェットプリントヘッドによって新たな工業用途を開拓し、持続可能な社会の実現に向けた一翼を担いたい考えています。将来的には、さらなる技術革新を進め、環境負荷軽減や生産効率向上に寄与する製品を提供していきます。これによりものづくりのデジタル化をリードする企業として、業界の発展に寄与していく所存です。