マリンバース、持続可能な水産資源確保へ向けてブリ人工種苗販売開始

持続可能な水産資源へ向けた新たなステップ

株式会社FOOD & LIFE COMPANIES（F&LC）と株式会社拓洋の共同出資による株式会社マリンバースが、いよいよ2025年6月からブリの人工種苗（稚魚）を販売します。この新しい取り組みは、天然の水産資源に依存せず、持続可能な海洋環境の保護と安定供給を目指します。

ブリの養殖とその背景

ブリは、日本の食文化の中で非常に重要な魚種ですが、従来は天然の種苗に頼る養殖がほとんどでした。しかし、海洋環境の変化や温暖化が進む中、自然の資源に依存することが持つリスクも増大しています。特に、ブリの産卵期は春から初夏にかけて限定されており、そのため季節や環境に大きく影響されるのです。これらの挑戦を乗り越えるため、マリンバースは人工の環境でブリを完全に養殖する研究を開始しました。

成育状況の良好さ

特に注目すべきは、ブリ人工種苗が2025年の高水温期を良好な成育状況で乗り越えられた点です。この過程で、尾鷲物産での養殖を経て、2027年にはF&LCが運営する「スシロー」での販売を予定しています。これは、持続可能な水産資源確保へ向けた大きな一歩となります。

完全養殖を目指して

完全養殖とは、人工的に孵化した種苗を成魚まで育て、その親魚から再度採卵し次世代の稚魚を育てるというサイクルを、天然資源に頼ることなく実現する技術です。これにより、天然資源の保護と安定的な調達が両立します。マリンバースの努力が実を結び、ブリの完全養殖が実現すれば、水産物の品質や味も一定に保つことが可能になります。

ブリの味を制御する新たな可能性

養殖された水産物は、環境や飼料を整えることで、その味をコントロールできるという点も大きな特長です。ブリの脂乗りを高め、安定した品質のおいしさをお客様に提供できるよう、今後も取り組みを続けていきます。

マリンバースの未来

株式会社マリンバースは、持続可能な調達を実現し、皆さまに美味しいお食事をお届けするため、ブリの完全養殖の推進に邁進してまいります。2022年に設立されたこの会社は、F&LCが運営する「スシロー」と提携し、養殖に関する新技術を続々と導入しています。

今後もマリンバースは、革新的なアプローチで日本の水産業を支えていくことでしょう。地域の持続可能性、海洋環境の保護、そして高品質な食文化の構築。この三つの柱を中心に、次世代へと続く新たな水産業の形を描いています。皆さまの温かいご支援を宜しくお願いいたします。