福岡市で進む新たな資源循環の試み
近年、環境問題への関心が高まる中、福岡市を舞台にした新たな資源循環モデルが立ち上がりました。株式会社セブン-イレブン・ジャパンを中心に、Value way株式会社や九州旅客鉄道株式会社、一般社団法人Regenerative Coffee 協会、特定非営利活動法人循環生活研究所などが共同で進めるプロジェクト、その名も「Regenerative Coffee モデル In 福岡」です。この事業は、令和7年度地域の資源循環促進支援事業として環境省に採択されたもので、食品廃棄物の有効活用を目指しています。
コーヒーかすの新しい利用法
このプロジェクトでは、福岡市内のセブン-イレブンやJR九州グループで約10店舗から排出されるコーヒーかすを集め、それをバイオ炭として再資源化することを目的としています。具体的には、エニキャリの物流網を活用し、コーヒーかすを効率的に回収、その後、移動式の炭化装置を用いてバイオ炭を製造します。これらのバイオ炭は、地域の農地で散布し、土壌改良材として使用されるのです。
温室効果ガスの排出量の可視化
プロジェクトの大きな特徴は、コーヒーバリューチェーンでの温室効果ガスの排出量を算定し、そのデータを可視化することです。これにより、消費者や事業者が自らの行動変容を促すための情報を得られるようになります。具体的な数値を得ることで、環境意識のさらなる高まりが期待されています。
背景と地域課題の解決に向けて
日本はコーヒー消費国として知られており、福岡市でも1日で261万杯、約5.2トンものコーヒーかすが排出されています。しかし、現在のところ、その80%以上は適切に活用されずに廃棄されています。事業者や消費者は一部においてコーヒーかすを肥料や消臭剤として活用していますが、まだ十分とは言えません。プロジェクトはこのような地域課題を解決するために取り組んでいます。
新たな物流のしくみ
特に注目されるのは、動脈物流と静脈物流の融合です。動脈物流は一般的に消費者に商品を届けるための流通形態ですが、これを利用したコーヒーかすの収集が進むことで、輸送効率が改善され、温室効果ガスの排出削減にも寄与する狙いがあります。
未来への展望
この実証事業により、福岡市が持つコーヒーかすの資源循環を地域の実情に即した形で実現し、脱炭素社会の実現に向けた重要な一歩を踏み出します。さらなる地域課題の解決とともに、国際的にも注目される循環型ビジネスモデルの確立が期待されています。今後、このプロジェクトの推進により、他地域への展開も視野に入れた新たな資源循環の形が生まれることを期待しています。