ロームの新リファレンスデザイン「REF67004」で電源設計が進化!
京都市に本社を置くローム株式会社が、新たに開発したリファレンスデザイン「REF67004」が注目を集めています。このリファレンスデザインは、一般的に民生および産業機器向けに使用される電流臨界モードPFC(Power Factor Correction)と疑似共振フライバックの両方を、一つのマイコンで制御することができる点が最大の特徴です。
LogiCoA™電源ソリューションの実力
「REF67004」は、AC入力を電流臨界モードPFCコンバータによって昇圧した後、DC 24Vに変換するプロセスを提供します。これにより、可変特性を持つ外付け部品のバラツキを補正するキャリブレーション機能も備わっており、LogiCoA™マイコンが高精度に各種電圧設定や過電流保護を行います。この新技術によって、電源設計のマージンを小さくすることが可能となり、より小型のパワーデバイスやインダクタを選べるようになります。結果として、実装面積やコストの削減が期待できるのです。
動作履歴の保存機能
また、「REF67004」にはログ保存機能が搭載されており、システムの動作履歴をLogiCoA™マイコン内蔵の不揮発性メモリに保存することができます。これにより、入力電圧、出力電圧・電流、温度などの情報を迅速に収集し、故障原因を特定する際にも重宝します。ただし、すべてのデータはロームの公式Webサイトに提供されている電源制御用OS「RMOS」を使ってPC上から容易に取得・設定できる点が魅力です。
実機評価が可能なリファレンスデザインボード
「LogiCoA003-EVK-001」というリファレンスデザインボードを基に、実際の性能を評価することも可能です。サンプル価格は100,000円(税抜き)で、アナログ・デジタルの統合作業を容易にするための各種サポートツールも提供されています。これからも様々な電源トポロジーに対応するリファレンス設計が続々と登場する予定です。
取扱い店舗と今後の展望
このリファレンスデザインやLogiCoA™マイコンは、チップワンストップ™やコアスタッフ™オンラインといったインターネット販売プラットフォームで入手可能です。2024年6月からは量産も見込まれており、サンプル価格で650円(税抜き)より販売が開始される予定です。
実績と今後の展開
ロームは、アナログとデジタルの技術を融合させたLogiCoA™の下で新たな電源ソリューションを展開し続けており、今回の「REF67004」もその一環として位置付けられています。小〜中電力帯の高い信頼性が求められる産業用機器や半導体製造装置などの多様なニーズに応えるこの技術は、市場におけるさらなる拡張も期待されます。これからもロームは電源ソリューションのリーダーシップを発揮し続けることでしょう。