Bioworksが実証した靴下のケミカルリサイクル技術とその意義
京都府に本社を置くBioworks株式会社は、東京都主催の「社会課題解決型スタートアップ支援事業」における実証実験を通じて、次世代合成繊維「PlaX」を使用した靴下がケミカルリサイクルによって再生可能であることを証明しました。この取り組みは、使用済み靴下を回収し、ポリ乳酸として再利用するプロセスの確立を目指しています。
背景
繊維業界のリサイクル率は、全体で1%未満という厳しい状況です。特に消耗品である靴下や下着は、年間での購入量が多いにも関わらず、おおよそ90%が廃棄されています。このことから、消耗品のリサイクルを促進する仕組みの必要性が高まっています。
本プロジェクトは、製品寿命が比較的短く、廃棄されがちな靴下に注目し、持続可能な循環型ビジネスモデルを構築することを目的としています。靴下のリサイクルのしやすさに着目することで、循環性を高めようという取り組みです。
実証実験の概要
この実証実験は、名古屋市の「TARROW TOKYO」との協力により行われ、靴下の回収・リサイクルプロセスの検証が行われました。靴下はPlaXを使用して製造されており、実験のために消費者に配布されました。使用後、回収された靴下はケミカルリサイクルのプロセスにかけられ、高品質な再資源化が可能であることが確認されました。
実証の結果と課題
実験では、汚れた靴下もケミカルリサイクルによりポリ乳酸に再生できることが確認されました。特に高純度・高品質な再資源化素材が得られることが分かり、PLA樹脂として再利用可能な性能を示しました。一方で、分離工程における原料の収率や、事業化に向けたコスト面には課題が残りました。
リサイクル靴下は、通常原料を用いた靴下と比較して約9%のCO2削減が見込まれ、資源の使用を低減する効果が期待されます。今後は、これらの課題に対して高混率の製品設計を進めるとともに、PlaXの流通拡大を図る考えです。
参加者の心理的な反応
参加者を対象にしたアンケート調査の結果、70%が汚れた靴下の回収に対して心理的な負担がなかったと回答しました。また、高い再利用意欲が示され、93.7%が同様のリサイクル仕組みを利用したいと考えています。このことは、消費者の心理的な障壁を低くする工夫が功を奏したものと考えられます。
まとめ
Bioworksが実施した靴下のケミカルリサイクル実験は、持続可能なファッションの実現に向けた重要なステップです。今後も、同社はパートナー企業と協力しながら、リサイクルから再資源化に至るまでの持続可能なモデルの確立を目指していくことでしょう。PlaXのような素材は、未来のサステナブルなファッションにおいて重要な役割を果たすと期待されます。