世界中で愛されるオムロンのネブライザ、販売台数5000万台達成

オムロンのネブライザが世界で5000万台を突破

オムロンヘルスケア株式会社（本社：京都府向日市）は、呼吸器疾患治療に特化した医療機器「ネブライザ」の世界累計販売台数が5,000万台を突破したと発表しました。この数は、オムロンの長年にわたる技術革新と顧客の信頼の証と言えるでしょう。

ネブライザは、喘息や慢性閉塞性肺疾患（COPD）を患う人々にとって、重要な治療機器です。1978年に初めて超音波式ネブライザを市場に投入して以来、オムロンは呼吸器疾患患者のニーズに応えるべく、様々な改良を加えてきました。特に、薬液を効果的に気管支や肺に届けるための噴霧技術に高い信頼を受けています。

1994年には、世界初の乾電池駆動型であり、当時最小・最軽量の「メッシュ式ネブライザ NE-U03」を発売しました。この製品は、小型ながら高い性能を誇り、喘息患者の日常生活をサポートしました。その後もオムロンは技術を中核に、2001年にはさらなる軽量化を実現した「メッシュ式ネブライザ NE-U22」、そして2019年にはディスポーザブルタイプの「メッシュ式ネブライザ NE-U200」を発表しました。このディスポーザブルメッシュは、使い捨てでき、清掃の手間が省けるため、常に清潔に使用できるメリットがあります。

オムロンのネブライザは、現在、世界80カ国以上に展開されています。特に、軽量で携帯性に優れたモデルは、外出先での喘息発作時にも迅速に対応できるため、多くの患者から高く評価されています。また、長時間使用可能なコンプレッサー式ネブライザも、病院や家庭で広く使用されています。

現在、喘息やCOPDの患者数は特に新興国で増加しており、喫煙や大気汚染が背景にあります。世界保健機関（WHO）によると、全世界で約3億3,900万人が喘息を患い、COPDによる年間死亡者数は推定350万人にのぼります。この深刻な現実を受け、オムロンでは中国やインドなどの市場において、病院や製薬会社と連携し、ネブライザを使った治療法を推進する「ネブライザルーム」を積極的に設置しています。また、医療従事者との協働により、家庭でのネブライザの使用を広め、患者の生活の質の向上を図っています。

オムロンの使命は、「呼吸器疾患増悪ゼロ」を実現することです。この目標に向けて、同社は今後も技術と知見を進化させ、一人ひとりの患者が安心して適切な治療を受けられるよう、革新的なデバイスとサービスを提供していく方針です。

オムロンのネブライザは、呼吸器疾患に苦しむ多くの人々を支える頼もしい存在であり、この発展が今後も続くことを期待しています。