関西スタートアップ112社調査結果発表
関西地域のスタートアップに対する調査が行われ、112社が参加しました。この調査は、関西に本社を置く企業の事業満足度や、彼らが直面している課題を明らかにする目的で実施されました。以下に、その詳細をお伝えします。
調査概要と背景
NPO法人「生態会」は、2018年11月に設立され、関西の起業エコシステムの活性化を目指しています。これまでに200を超えるスタートアップを取材し、詳細なレポートを作成してきました。最近の国の施策が影響を与え、スタートアップの注目が高まっていますが、実際にはどういった現状があるのかを探るためにこの調査が行われました。この調査結果は、2024年10月31日に発行される『関西スタートアップレポート』に掲載される予定です。
満足度の比較
調査に参加したスタートアップの70%が、現在の事業に満足していると回答しています。特に、「大変満足している」と答えた経営者が24%、また「満足している」と感じている人が46%に上りました。肯定的な意見としては、事業の成長や仲間や支援者の増加、自由に事業を進められる喜び、社会への貢献を実感していることが挙げられました。
反対に、満足していない理由としては、「まだ成し遂げられていないことが多い」「資金調達に苦戦している」「売上がまだ十分でない」といった声がありました。特に設立から1~2年目の企業では33%から45%が満足していないと分類され、試行錯誤の中にあることが分かります。
満足度と年商
スタートアップの満足度は年商との関連性が見られ、年商が1億円を超える企業の中では「大変満足」や「満足」と答える企業が過半数に達しています。この結果は、経営の成果が満足度に大きく影響することを示しています。
創業メンバーの動向
創業メンバーの残留について調査したところ、約81%の企業で半数以上のメンバーが残っていることが判明しました。脱退した理由は、「能力の不足」や「方向性の違い」が影響しています。
関西特有の課題
東京と比較すると、関西で事業を行う際の主要な課題として、経営層の採用や資金調達、起業家同士の出会いの機会の不足が挙げられています。特に資金調達に関しては、日本のベンチャーキャピタルの多くが東京に集中しているため、より一層の努力が必要です。一方で、オフィス環境などの物理的条件には良好かつ充実した意見も多く、ヒト・カネの課題はあるものの、モノに関しては関西の優位性があると感じられています。
調査結果の発表イベント
この調査結果は、生態会と大阪商工会議所の共催イベントにて発表され、参加者の間で討論が行われました。大阪府の成長戦略局長や各企業代表が出席し、現状のスタートアップ環境についての考察が行われました。特に経営層の採用をいかに解決していくかなど、今後の取り組みが期待されています。生態会は今後も、関西のスタートアップの声を聞き、サポートを続けていくことを誓いました。