鶴とたすきをテーマにしたトロフィー制作が実現
広島市立基町高等学校の生徒たちが、平和記念公園に捧げられた折り鶴を再利用し、平和への祈りを込めたトロフィーを制作しました。このトロフィーは、2025年に広島市で開催される「天皇盃 第30回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会」のために作成されたもので、合計8作品が完成しました。これらは、平和の象徴である鶴と、未来に向かって羽ばたく力強い選手たちをたすきに例えたデザインが特徴です。
株式会社大創産業が大会のメインスポンサーを務めており、スポーツを通じて次世代に平和の大切さを考える機会を提供したいという思いから、この取り組みがスタートしました。トロフィーに使用された折り鶴は、平和記念公園の「原爆の子の像」に捧げられたもので、広島市が策定した取組みに基づき譲り受けたものです。このような取り組みを通じて、世界中に平和のメッセージを発信し、選手たちが鶴のように未来に向かって羽ばたく様子を支援するという願いが込められています。
制作に携わった生徒の一人は、「選手の皆さんの逞しさを想像しながらトロフィーをデザインしました。私たちの平和の思いが繋がることを願っています」とコメントしています。生徒たちが心を込めて作り上げたトロフィーは、全国レベルの大会で選手たちに授与されることになります。
大創産業は、2015年からこの大会のメインスポンサーを務めており、毎年平和へのメッセージを込めた特別なトロフィーを提供しています。今大会は、特別協賛社賞が授与され、また平和記念公園前をスタート地点とすることで、地域に根差したスポーツ振興を促進しながら世界平和の重要性を広める機会としています。
このプロジェクトは2019年度から始まり、今年で4回目の授与となります。ただし、2020年と2021年度は新型コロナウイルスの影響で大会が中止されたため、これまでの中で生徒たちによるデザインの集大成が今回のイベントで実を結ぶこととなりました。
様々な意味が詰まったトロフィー
トロフィーのデザインには、'鶴'の象徴的な存在感に加え、広島の文化を象徴する'錦鯉'の模様が取り入れられており、地域の特色も感じさせます。このように、トロフィー制作は創造的なアプローチで行われ、それぞれの作品には多様な意義が込められています。
学校の取り組みと同社の理念
広島市立基町高等学校の普通科 創造表現コースは、個性を磨き、芸術文化を発展させることを目指して1999年に設立されました。学生たちはこの科を通じて、さまざまな表現力を高め、進学への道も開くことが期待されています。一方、大創産業は「生活をワンプライスで豊かに」という理念のもと、様々な商品を手がける企業であり、地域貢献にも力を入れています。
今回の取り組みによって、次世代の高校生たちが平和について考える契機となり、今後も広がり続けることを願っています。トロフィー制作の背景には、ただスポーツをサポートするに留まらない、深いメッセージ性があることを忘れてはなりません。