アップルサイクルプロジェクトがもたらす新たな価値と美味しさ
フードロスの削減と生産者の支援を同時に目指す「アップルサイクルプロジェクト」が始まった。株式会社ビオスタイルが運営するGOOD NATURE STATIONのオリジナルフードブランド『GOOD NATURE MARKET』が、龍谷大学経営学部とのコラボレーションにより導入したこのプロジェクトは、青森県のりんご生産者の努力が実を結ぶ新たなステージを切り開いた。
摘果りんごの現実とその価値
りんごが生育する過程では、商品化できる実を育てるために、実の約9割を摘み取る作業が行われる。この摘果作業はかなりの労力を要するものであるが、実の大部分は廃棄されてしまうのが現状だ。
この問題を受けて立ち上がった今回のプロジェクトでは、摘果りんごに新たな価値を見出すことが目指されている。摘果りんごを使用して作られた新商品「日本茶に合う摘果りんごのフロランタン」は、そうした思いの象徴だ。
新商品「摘果りんごのフロランタン」とは
新商品は、青森産「サンジョナゴールド」の摘果りんごを使い、独特の酸味と渋みを生かして甘さを控えめに仕上げている。その結果、従来のフロランタンとは異なる大人向けの贅沢でコクのある味わいが楽しめる。また、フロランタンの生地に摘果りんごのパウダーを加えたことで、独自の「ザクほろ」食感が実現され、茶やコーヒーとの相性も抜群だ。
発売は2025年11月5日で、価格は972円(税込)。GOOD NATURE STATIONのMARKETおよびオンラインショップで購入可能だ。
商品の背景には、龍谷大学経営学部の藤岡ゼミとの産学連携がある。学生たちは、若年層のりんご消費を促進するため、農家との連携や商品企画、さらにはブランドデザインなど、プロジェクト全体を通じて貴重な経験を積んでいる。
藤岡ゼミと提携する意義
「アップルサイクルプロジェクト」の成功には、龍谷大学との信頼関係が大きな役割を果たしている。藤岡ゼミの学生は、現地訪問を通じて直面する課題を理解し、それに対する具体的な解決策を提案してきた。その結果、摘果りんごの利用促進や消費の活性化という懸案が浮上し、実現に至ったのだ。
藤岡章子教授も「信頼関係があってこそ、今回の商品が生まれた」と喜びを語っている。学生の今村朱里さんは、「商品の魅力をより多くの人に知ってもらいたい」と、プロジェクトへの情熱を語った。
サステナブルな未来に向けた行動
この『GOOD NATURE MARKET』は、体、心、地域、社会、そして地球にとって良い5つの要素を重視している。食卓にサステナブルな選択肢を提案することで、より良い未来を築くことを目指している。フーヅロスが社会問題として取り上げられるなかで、私たちが行動を起こすことが求められているのだ。
GOOD NATURE PROJECTは、ただの商品の提供にとどまらず、環境問題や地域貢献を意識した事業運営を展開し、新たな価値を創造していく。
おわりに
新しい商品が消費者の手に渡ることで、単なる美味しさだけでなく、持続可能な生活様式への意識の高まりにもつながるだろう。今後の展開に期待しつつ、私たちもこのプロジェクトに注目していきたい。