京都発!新時代のサーマルプリントヘッド
京都市を本拠地とするローム株式会社から、新たにA4サイズのモバイルプリンター向けに設計された小型サーマルプリントヘッド「KA2008-B07N70A」が発表されました。この新製品は、従来の製品に比べて更に優れた機能性と効率性を実現しています。
主な特長と技術
KA2008-B07N70Aの大きな特徴は、そのサイズと性能にあります。まず、従来のものに比べて印刷ヘッドの縦幅が14mmから11.67mmに約16%もコンパクトになったことで、プリンターの省スペース化が可能になりました。また、このプリントヘッドは、リチウムイオン電池2セル駆動(7.2V)に対応しており、これにより印字に必要なエネルギーを約66%削減しています。これは、印字速度50mm/秒という条件下での結果です。早く鮮明な印刷が求められる場面でも、高速印字100mm/秒を実現し、203dpi(dots per inch)の解像度によって細部までしっかりと印字されます。
二つのサーマル印字方式に対応
KA2008-B07N70Aは、感熱方式と熱転写方式の両方をサポートしています。この柔軟性により、多様な用途に最適な印字が可能となっています。例えば、感熱方式を使用すればレシートやラベルなどの短期間の使用に適しており、熱転写方式ではより高精度な印字が可能で、長期間保存が求められる書類やラベルにも対応しています。
耐久性と使いやすさ
新製品は、機械的強度や耐久性の向上にも力を入れて設計されており、日常的な高耐久使用にも対応できるのが特徴です。特に、インボイスや税関ラベルのように頻繁に印刷が求められる業務において、その信頼性は大変重要です。また、基板単体の供給が可能で、プリンターの設計の自由度が増すという利点もあります。
新たな市場の開拓
現在、海外向けECの発展により、インボイスや税関ラベルの需要が急増中です。このため、無インクでエネルギー効率の良いサーマルプリンターに対する需要が高まっています。また、特にアジア市場においてはA4サイズ対応モバイルプリンターの需要が著しく伸びています。ロームはこのトレンドに乗り、新製品KA2008-B07N70Aを市場に投入することで、モバイルプリンターのニーズに応えています。
まとめ
今後、ロームはこのKA2008-B07N70Aを月産5,000個の体制で量産し、2024年9月から本格的に市場に供給を開始する予定です。さらに、2025年春には解像度300dpiの製品も開発中であり、高速印字・高効率化を実現した製品ラインアップの拡充も計画しています。これにより、印刷技術の新たな扉が開かれることでしょう。新型サーマルプリントヘッドがどのように私たちのビジネス環境を変革していくのか、今後の展開に期待が高まります。